Gemini Omni Flash レビュー:Google の Veo 3.1 後継モデルを、生成・編集・延長で試した

Gemini Omni Flash レビュー:Google の Veo 3.1 後継モデルを、生成・編集・延長で試した

インサイトに掲載

Veo 3.1 は退場しようとしています。Google の Gemini API の非推奨に関する告知ははっきりしていて、Veo 3.1、Veo 3.1 Fast、Veo 3.1 Lite のプレビュー版は早ければ 2026年10月22日に提供終了となる可能性があり、3つすべての後継として挙げられているのは1つだけ。Gemini Omni 1.1 Flash です。

Google がこのモデルをリリースしたのは8月27日。私たちはこの2週間で Gemini Omni Flash を ZOOOP に追加し、用意されているモードをすべて試しました。良いところも悪いところも、見たままを書きます。

要点だけ先に

  • Gemini Omni Flash は、生成・編集・延長を1つのモデルにまとめています。 クリップが思いどおりにならなくても、別のモデルで一からやり直す必要はありません。直したいところを一文で伝えるか、最後に数秒足せば済みます。
  • どのクリップにも音が付きます。 セリフ、足音、環境音が映像と一緒に出てきます。難点は、オフにできず、方向づけしかできないこと。
  • 長さは3〜10秒、アスペクト比は 16:9 か 9:16 のみ。 もっと長いテイクや正方形の画面が必要なら、別のモデルを使うことになります。
  • 360p のドラフト画質はとても便利ですが、720p で作り直すと、ドラフトを鮮明にしたものではなく別のクリップになります。 ここは勘違いする人が多いはず。下に並べて比べた画像を載せています。

Gemini Omni 1.1 Flash とは何か、なぜ Veo 3.1 は引退するのか

Veo は Google が長く続けてきた動画モデルのシリーズで、Veo 3.1 はその最後のフラッグシップでした。Gemini Omni は別の道を選んでいます。マルチモーダルモデルなので、テキスト、画像、短い動画クリップのどれもが入力になり、出力は音声付きの動画です。

クリエイターにとって実際に変わるのは、1つのモデルで5つの仕事ができるようになったことです。テキストから動画、画像から動画(終了フレームの指定も可)、参照から動画、既存クリップの編集、そしてクリップの延長。これまでは、こうした作業のたびに複数の AI 動画モデルを行き来する必要がありました。Gemini Omni Flash はそのすべてをカバーします。

Veo 4 は出るのか?

Veo 4 を検索している人はたくさんいます。公開時点(2026年10月11日)で、Google の公開ドキュメントに Veo 4 のモデル ID やリリース告知は見つかりませんでした。Google が Veo 3.1 ファミリーの後継として名前を挙げているのは Gemini Omni 1.1 Flash です。

なので現実的なアドバイスとしては、Veo 4 を待っていたなら、今のうちに Gemini Omni Flash を使い始めてしまって大丈夫です。もし Google があとで新しいモデルを出したとしても、プロンプトやワークフローの大半はそのまま持っていけます。

5つのモードを試してみた

テキストから動画:自分でカットを割る

依頼したのは "a golden retriever puppy chases falling autumn leaves in a sunlit park, slow motion, warm cinematic light, ambient birdsong"、長さは10秒です。結果には驚きました。Gemini Omni Flash はその10秒の中で自分から4つのショットにカットを割ったのです(引き、クローズアップ、追いかけっこ、走り去る子犬)。まるで誰かが編集したかのように。

Gemini Omni Flash のテキストから動画:10秒のクリップ1本の中で自動的に切り替わる4つのショット

ショート動画づくりには便利です。1回の生成で、すでにちょっとしたシーケンスになっているわけですから。途切れのないワンテイクにしたいなら、プロンプトに "one continuous shot" とはっきり書いてみてください。

開始・終了フレーム:間はおまかせ

開始・終了フレームから動画生成 で、グレーのロボットと、同じロボットのオレンジ版を渡しました。プロンプトは1行だけで、ロボットが体をぶるっと震わせ、外装がゆっくりオレンジに変わる、という内容です。長さ3秒、縦長。色の変化はなめらかで、ロボットの形も目も、隣の風船もくずれずに残っていました。

Gemini Omni Flash の開始・終了フレーム:グレーのロボットがオレンジに変わる

参照から動画:画像でキャラクターを固定し、クリップで動きを持ち込む

ここが Gemini Omni でいちばん面白いところです。プロンプトの横に、参照画像を最大10枚と、1本3秒以内の動画クリップを最大3本まで追加できます。今回はロボットの写真2枚と、公園を撮った2.5秒のクリップを入れました。

参照素材:ロボットの画像2枚と短い公園のクリップ

返ってきたのは、2体のロボットが同じ芝生の上を並んで転がっていく映像。光の当たり方も木の影も、参照クリップと同じでした。

Gemini Omni Flash の参照から動画:参照クリップの公園に2体のロボットが入っている

参照クリップ内の音声は無視されます。クリップが伝えるのは動きと見た目だけです。

一文で編集:ジャケットは新しく、人物はそのまま

動画編集 に、黄色いパーカーを着た男性が公園に立っている8秒のクリップをアップロードしました。プロンプトは、黄色いパーカーを赤いレザージャケットに変えて、それ以外は何も変えない、というものです。

Gemini Omni Flash の動画編集:黄色いパーカーが赤いレザージャケットに。左がオリジナル

顔、髪、ポーズ、背景、タイミングはそのまま。変わったのはジャケットだけです。こういう修正は、以前なら撮り直しでした。

延長:最後に数秒足す

同じクリップで 動画の延長 を使い、3秒追加しました。内容は、彼が笑って、カメラに手を振り、それから画面の右へ歩いて出ていく、というもの。

Gemini Omni Flash の延長:元のクリップのあと、男性が手を振って画面の外へ歩いていく

3つの動作はすべて入っていましたが、手を振るのは一瞬でした。3秒に3つの動作は詰め込みすぎなので、動きの多い続きには数秒多めに時間をあげてください。

360p のドラフトから 4K まで、そしてひとつの誤解

Gemini Omni Flash の解像度は 360p、720p、1080p、4K の4つ。Google は 360p をドラフト用の画質として設計しています。速くて低コスト、構図を探すのにぴったりです。1080p と 4K はネイティブのフレームからアップスケールされます。

ひとつ、はっきり言っておきたいことがあります。同じプロンプトを 720p でもう一度実行すると、360p のドラフトを拡大したものではなく、新しいクリップが出てきます。 以下は同じラテアートのプロンプトで、左が 360p、右が 720p です。

同じプロンプトで、左が 360p ドラフト、右が 720p:構図は似ているが別々の2本のクリップ

構図と動きは近いものの、カップも手もカメラアングルも変わっています。だから 360p の正しい使い方はプロンプトを試すことです。ショットを正しい方向に向かわせる言い回しを見つけてから、高い解像度で生成する。ドラフトの1本を選んで、HD 版がフレーム単位でそれと一致することを期待してはいけません。

うまくいかなかったこと、そして制限

始める前に知っておきたいことがいくつかあります。

  • 音声はオフにできません。 環境音だけにしたいなら、プロンプトに "no dialogue" や "no music" と書くか、あとでクリップをミュートしてください。
  • 16:9 と 9:16 のみ。 標準的でない比率の縦長クリップを編集したところ、出力は標準の 9:16 で返ってきて、端が少し削られていました。
  • 1クリップ10秒まで。 編集や延長に使う元クリップも10秒以下である必要があります。
  • セーフティフィルターが厳しい。 一部の有名人の写真は拒否されるので、特定の人物を既存の映像に入れたい場合には向いていません。
  • プロンプトは英語がいちばん確実。 Google が完全サポートとしているのは英語で、ほかの言語は正式には評価されていません。

Veo 3.1 からの乗り換え

ほとんどの習慣はそのまま引き継げます。

Veo 3.1 でやっていたことGemini Omni Flash でのやり方
テキストから動画テキストから動画。長さは 4/6/8 秒ではなく、3〜10秒の好きな長さに
開始フレーム / 開始・終了フレーム開始・終了フレームモード。考え方は同じ
参照画像でキャラクターを一貫させる参照画像は3枚ではなく最大10枚、さらに参照クリップも
延長延長モード、3〜10秒
音声オフスイッチはなし。プロンプトで方向づける

新しいのは編集です。Veo では気に入らないクリップが出たら最初からやり直しでしたが、今は直せます。

ほかのモデルを選ぶべきとき

Gemini Omni Flash はオールラウンダーであって、何でもいちばんというわけではありません。

  • 特定の人物を既存のクリップに入れるなら、MiniMax H3。
  • 10秒を超えるテイクや、1:1、4:3 の画面なら、最長30秒まで対応する Wan V3.0。
  • マルチショットのシーケンスや、10秒を超えるクリップの編集なら、Seedance V2.5。
  • ダンスの振りをキャラクターにそっくりそのまま移したいなら、Kling V3 のモーションコントロール……

どれも同じ AI 動画生成 ページにあり、クレジット残高も共通なので、切り替えはワンクリックです。

まとめ

2週間使ってみて、Gemini Omni 1.1 Flash でいちばん印象に残ったのは手間の少なさです。最初のドラフトから完成まで、モデルを離れずにクリップを仕上げられる。360p で方向性を試し、気に入らないところは一文の編集で直し、ショットが早く終わりすぎたら延長する。Veo 3.1 を使い慣れた人にとって乗り換えの負担はごくわずかで、そのうえ編集機能がまるごと手に入ります。

仕様やほかの作例は Gemini Omni 1.1 Flash のモデルページ をご覧ください。複数の AI 動画クリップを1本の作品にまとめるなら、ジェネレーティブキャンバス に並べてみてください。

シェアする