Seedream 5.0 Pro vs Nano Banana Pro:違いが出るのはこの3か所だった

Seedream 5.0 Pro vs Nano Banana Pro:違いが出るのはこの3か所だった

インサイトに掲載

Seedream 5.0 が出てから一番よく聞かれるのが「Nano Banana Pro から乗り換えるべきか」という質問です。公式のサンプル画像を見ても答えは出ません——あれは選ばれた一枚だからです。そこで両方のモデルを並べて3組テストしました。プロンプトの文字は一字も変えず、入れ替えたのはモデルだけです。

先に結論を置いておきます。どちらが強いかという問い自体があまり成立しません。この2つの AI 画像モデルは、指示のどこを守るかが違い、しかもその違いがかなり安定しています。

Seedream 5.0 Pro とは何か、Lite との違い

Seedream 5 はByteDanceの現行世代の AI 画像モデルで、ZOOOP では Pro と Lite の2バージョンが使えます。Pro は「複雑な説明を渡したら、できる範囲で全部やる」タイプ。Lite は安くて速いので、構図を決める前にラフを大量に出す用途に向いています。今回は最後まで Pro を使いました。比べたかったのが複雑な指示の理解力そのものだからです。

見落としやすい差がひとつあります。Seedream 5.0 Pro は現時点で最大 2k、Nano Banana Pro は 4k まで出せます。成果物を印刷したり大きくトリミングするなら、この一行が後述の3組のテストより重要かもしれません。1枚あたりのコストは両者かなり近く、Seedream 5.0 Pro がわずかに安い程度で、どちらが得とは言えません。

測り方:同じプロンプト、モデルだけ入れ替え

3組のテスト、各組プロンプト1本、モデルごとに1回だけ生成。アスペクト比は 16:9 に固定(人物の組だけ 3:2)、解像度は 2k に固定しました。良い一枚が出るまで引き直すことはしていません。選び抜いた画像からはモデルの癖が見えないからです。

3組が狙ったのは、AI 画像生成 で最も崩れやすい3つの能力です。1枚に複数の被写体を入れる、同じ顔で場面を変える、画面の中に文字を書かせる。

1つ目:1枚に4人の被写体を入れる

プロンプトには雨の裏通りの深夜ラーメン屋台を書き、4つの被写体にそれぞれ位置を指定しました。カウンターの奥で丼を拭く店主、左端の椅子でスマホを見る黄色いレインコートの女性、右の戸口に立ちヘルメットを脇に抱えた配達員、右端の木箱の山に座る茶トラ猫。照明は暖色の提灯と、濡れたアスファルトに映るネオン。

同一プロンプトによる複数被写体シーン、Seedream 5.0 Pro と Nano Banana Pro

4つの被写体は両方のモデルが全部描き、位置もおおむね合っていました。AI 画像生成は1年前ならどれか1つを平然と落としていました。差が出たのは別の部分です。

Seedream 5.0 Pro は「ヘルメットを脇に抱える」という細かい動作を正しく描き、看板の RAMEN のスペルも間違えていません。画面は版を組んだポスターのようで、被写体の間の余白がはっきりし、誰がどこにいるか一目で分かります。Nano Banana Pro が返してきたのはむしろストリートスナップで、路地が実際に奥へ抜け、遠くに傘を差した通行人がいて、提灯の日本語も読めます。その代償として、配達員はヘルメットを脇ではなく胸の前で抱えており、木箱の小さな文字は判読できない崩れ字になっています。

2つ目:同じ顔で2つの場面

人物の一貫性は AI 画像の中でおそらく一番お金のかかる課題です。まず GPT Image 2 で基準画像を1枚作りました。正面、グレー背景、均一な光、ノーメイク——ほぼオーディション写真です。それを参照画像として両方のモデルに渡し、同じ人物を夕暮れの屋上と日中の図書館に登場させました。

基準となる参照画像

人物の一貫性:同じ参照画像、2つの場面、2つのモデル

顔はどちらも保ちました。この関門は両方通過です。細かく見ると面白くなります。

Seedream 5.0 Pro は骨格の追従が最も忠実で、眉骨・鼻筋・唇の形はほぼ基準画像の複製です。ただし2回とも正面の平坦な光になりました。プロンプトでは「斜め45度の向き」と「左からの低い角度のサイド光」を明示していたのに、そこは見ていません。Nano Banana Pro は逆でした。カメラアングルも光の方向も指示どおりで、図書館のカットには背景の別の読者と開いた本まで自分で足しています。骨格はわずかに流れましたが同一人物として通ります。基準画像にはないそばかすが増えました。

両方のモデルが揃ってやったことが1つあり、書き留めておく価値があります。どちらも基準画像の黒いタンクトップをそのまま引き継ぎました。参照画像が持っていくのは顔だけではありません。服、髪の長さ、姿勢まで一緒に来ます。それが不要ならプロンプトで明言する必要があります。既存の画像に狙った変更を加えたいなら、全部を言葉で描き直すより AI 画像編集 のほうが早いです。

3つ目:画面の中に文字を書かせる

これが一番試したかった組です。プロンプトではパン屋の前の黒板メニューに「ちょうど3行」を要求し、内容を一字ずつ指定しました。SOURDOUGH 4.50 / CROISSANT 3.20 / CLOSED MONDAYS。

画面内の文字:指定した3行、両モデルの結果

どちらも綴りを正しく書きました。1文字も間違いなしです。「AI 画像モデルは読める文字を書けない」という古い経験則は、少なくとも短い英文についてはもう成り立ちません。

レイアウトは別の話です。Seedream 5.0 Pro は3行を3行として出し、品名と価格を同じ行に置き、指示どおりでした。Nano Banana Pro は文字は全部合っていたものの、各項目を2行に割ってしまい——3行が5行になり——小数点も中黒で書きました。その画像をそのままカードやサムネイルに使うなら、レイアウトが違えば作り直しです。

どちらをどの仕事に

3組の結果を見ると、線引きは十分はっきりしています。

「デザインされて見える画像」——ポスター、表紙、サムネイル、文字が乗る版面——が欲しいなら Seedream 5.0 Pro です。文字の内容、行数、被写体の配置といった構造的な指示を真面目に受け取ります。「撮られて見える画像」——カメラ位置、光の向き、奥行き、背景に写り込む生活の細部——が欲しいなら Nano Banana Pro です。絵筆よりカメラに近い振る舞いをします。

実務的な補足を2つ。人物の仕事はどちらのモデルでも回りますが、まず1枚分のコストをかけて正面のきれいな基準画像を作り、以降は毎回それを参照として渡すこと。毎回プロンプトで顔を描写し直すよりずっと確実です。そして 4k の納品物が必要なら選択肢はありません。到達できるのは Nano Banana Pro だけです。

自分の仕事で決着をつける一番安い方法は、生成キャンバス で同じプロンプトを両方のモデルに並べて流し、2枚を並べて見ることです。ZOOOP には Nano Banana 2、Seedream 5.0 Lite、GPT Image 2、Flux 2 なども揃っています……仕事ごとにモデルを替えるのは普通のことで、選択を間違えた印ではありません。

試していない部分

限界は正直に書きます。AI 画像生成のこのあたりは動きが速く、この記事の賞味期限もおそらく数か月です。各テストは1回ずつで、繰り返しサンプリングはしていないので、「今回勝った」は「毎回勝つ」ではありません。ほかに試していないこと。同じ画像を何度も編集し続けたときの安定性、商品や建築のような非人物被写体での一貫性、ラテン文字以外の画面内テキスト(英語が通っても日本語が通る証明にはなりません)、そして極端なアスペクト比です。

Seedream 5.0 Pro と Nano Banana Pro はどちらもまだ動いています。もしこれらのケースがあなたの実際の仕事なら、私の結論をそのまま持ち帰らないでください。ツール一覧 からモデルを2つ選び、自分の素材で1回ずつ流してみることです。プロンプト1本分のコストで、推測しなくていい答えが手に入ります。

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