
Nano Banana Pro と Nano Banana 2 の違いは?同じプロンプトで両方を走らせてみた

この2つの AI 画像モデルの比較記事は山ほどあります。困るのは、そのほとんどが画像だけ並べて条件を書いていないことです。プロンプトも違う、比率も違う、解像度まで違う。それで「こっちが上」と言われても使えません。
そこで変数を全部固定して走らせました。同じプロンプト、同じアスペクト比、同じ解像度、変えるのはモデルだけ。3つのシーンと追加実験1つ、合計9回の生成です。以下は実際に見えたもので、両方のモデルがうまくいかなかった箇所も含みます。
なぜこの2つが並べて比較されるのか
AI 画像生成 のモデル一覧では両者は隣同士に並んでいて、パラメータのパネルもほぼ同じです。プロンプト、アスペクト比、解像度、参照画像、1k / 2k / 4k、10種類の比率。多くの人が最初に思うのは「Pro は要するに高いほうだろう」ということでしょう。
この2つは同じモデルの上位・下位ではありません。名前についている Pro とは規格で、2 とは世代です。そして実際の差は「どちらが鮮明か」という軸には現れません。並べて走らせると、同じ一文の読み方そのものが違うことが分かります。
まず条件をはっきりさせる
3組のプロンプトはすべて英語で一気に書き、途中で一字も直していません。1組につき2枚、モデル以外のパラメータは完全に同一です。
- 複雑なシーンと文字の組:16:9、2k
- 人物の組:1:1、2k、両モデルに同じ参照画像を与える
- Nano Banana 2 の思考レベルはデフォルトのまま(追加実験の節を除く)
人物の組で使った参照画像は、別に生成したオーディション写真です。グレー背景、均一な正面光、ノーメイク、目線の高さのカメラ。この「きれいな基準画像」はキャラクターの一貫性を試すための前提条件です。背景が雑然としていたり光が偏っていたりすると、モデルがぶれたのか参照画像の情報が多すぎたのかを切り分けられなくなります。
1枚ずつ手で回すのが面倒なら、この種の並列比較は 生成キャンバス 上のほうが楽です。同じプロンプトから2つのノードを分岐させ、出力を並べて置いておけます。
第1ラウンド:情報量の多いシーン
プロンプトで指定したのは早朝の屋台です。6種類の料理、白いエプロンの店主が紙袋を渡している、後ろに並ぶ客、左に積まれた蒸籠、右の壁に立てかけた自転車、吊り電球、朝の霞。要素は意図的に多くしています。

Nano Banana Pro が返してきたのは、いかにも「写真」らしい1枚でした。冷たいグレーのトーンが統一され、奥行きがきれいで、霞と光の関係も正しく、指定した要素はおおむね揃っています。ただしシーンの解釈は控えめです。カウンターにあるのはステンレスのボウルがいくつかで、それが6品なのか4品なのかは言えません。看板も一切ありません。

Nano Banana 2 は逆に画面を埋めてきました。揚げパン、肉まん、餃子、お焼き、麺、豆腐。6種類以上が一目で数えられます。壁には店名の看板が掛かり、通りの先にもう2枚、さらにドア枠には決済用のQRコードのステッカーまで貼ってあります。どれもプロンプトには一言も書いていません。モデルが自分で足したものです。
「6種類の料理」という指定への忠実さでは2枚目が上です。空気感では1枚目が好きです。このラウンドに結論は出しません。雰囲気が欲しいのか情報量が欲しいのかで答えが変わるからです。
そして両方が同じ場所で崩れました。手です。Nano Banana Pro の画像では、鍋の上にかざした店主の左手の指がくっついています。Nano Banana 2 の画像では、紙袋を受け渡す2つの手が触れる部分が溶けています。人物の動作の絡みは今でも一番壊れやすい箇所で、どちらも解決していません。
第2ラウンド:同じ顔を保てるか
ここで変えたのは1点だけです。オーディション写真の人物を夕暮れの街に置き、低い角度の暖かいサイド光を当て、背景の店の看板をぼかす。プロンプトには「同一人物、同じカメラアングル、同じ構図」と明記しました。

左が基準画像、中央が Nano Banana Pro、右が Nano Banana 2 です。
Nano Banana Pro はほぼ手を加えずに人物を移しました。眉の形、目の間隔、鼻梁の幅、唇のライン、生え際。落ちてきた数本の毛束と黒いタンクトップまで残っています。同じ人物を別の日に撮ったのだと読めます。
Nano Banana 2 のほうは「彼女に似た誰か」だと分かりますが、確かに変わっています。顔が広く、顎が四角く、肌の質感が粗くなり、全体として数歳ぶん年上に見え、髪も頭に沿って平らになりました。単体で見れば違和感はありません。基準画像と並べると明らかです。
1人のキャラクターが複数の画像に繰り返し登場する制作物——絵コンテ、絵本、シリーズポスター——を作るなら、この差だけでモデルが決まります。
とはいえ Pro に旗を立てるのも早すぎます。プロンプトは同じ構図を求めていたのに、両方が勝手にカメラを寄せました。基準画像はバストショットで、出てきた2枚はどちらも寄りのクローズアップです。ここはどちらも指示を聞いていません。
第3ラウンド:画面の中の文字
一番崩れると予想していたラウンドです。プロンプトでは、手書きのカフェの黒板に OPEN TODAY 7AM - 4PM と書き、その下に小さく FLAT WHITE 4.50 と書くよう指定しました。

Nano Banana Pro は3行すべて正確で、チョークの筆致もそれらしい。価格を 4·50 と中黒で書いていますが、これは黒板に手書きする際のふつうの書き方なので誤りには数えません。

Nano Banana 2 も指定した行はすべて正確でした。そのうえで誰も頼んでいないコーヒーカップのアイコンと飾り罫を足し——そして書くよう指示していない場所で崩れました。日よけの店名は THE DAILY GRIND のはずですが、最初の単語が読めない形に潰れています。
このパターンは3ラウンドすべてで共通していました。**明示的に指定した文字は、今はどちらのモデルも正しく書けます。誤るのはいつも、モデルが自分で足した文字です。**街のシーンでも同じでした。Nano Banana 2 が勝手に作った看板は読めるのに、同じく勝手に作った小さな価格表は完全な文字化けです。文字を確実に出したいなら、出したい語をプロンプトに書き込み、モデルが即興できる余地をできるだけ残さないことです。
補足を1つ。Nano Banana 2 の出力5枚のうち1枚は四辺に白い縁が付いて返ってきて、切り落とす必要がありました。1回だけなので欠陥とは言いませんが、大量に生成するときは一度目を通す価値があります。
Nano Banana 2 の「思考レベル」は何をしているのか
パネル上の本当の違いはここです。Nano Banana 2 にはスイッチが2つ増えています。画像検索と、最低・デフォルト・最高から選べる思考レベルです。Nano Banana Pro にはウェブ検索しかありません。
第1ラウンドの屋台のプロンプトで、3段階を1回ずつ回してみました。

左から最低、デフォルト、最高です。主要な要素は3枚とも揃っています。店主、紙袋、行列、蒸籠、自転車、欠けたものはありません。変わるのは別の部分です。レベルを上げるほど、モデルが勝手に足す文字は減り、その正確さは上がります。最低がいちばん賑やかで、小さな文字が潰れたポスターが何枚かあります。最高は縦書きの店名と読みやすい価格表を数枚だけ残し、構図も目に見えて落ち着きました。
つまり画質の等級ではなく、どれだけ真面目にやるかのダイヤルに近い。代償は時間です。今回、最高は約100秒、デフォルトは60秒あまりで、1.5倍近い差でした。1回の観測でキュー待ちも含むため基準値としては扱えませんが、方向ははっきりしています。
どちらを選ぶか
9枚を回し終えて、結論は最初より具体的になりました。
**同じキャラクターを繰り返し出すなら Nano Banana Pro。**一貫性のラウンドの差は好みの問題ではなく、使えるかどうかの問題です。
**細部が自分で育つ密度の高いシーンが欲しいなら Nano Banana 2。**環境に対する想像力が活発で、書いていない看板やステッカー、道具類を自分で埋めてくれます。背景や雰囲気カットに便利です。
**正確な文字が必要なら、どちらでも構いませんが語句はプロンプトで固定すること。**モデルが自発的に書いたものは信用できません。
**迷ったらまず Nano Banana 2 で試作を。**1枚あたり少し安く、デフォルトなら速いので、プロンプトの方向を探るのに向いています。方向が決まって顔を固定する段階になったら Nano Banana Pro で仕上げましょう。
**全体を描き直さず一部だけ変えたいなら、どちらも第一候補ではありません。**代わりに AI 画像編集 を使ってください。範囲を塗ってそこだけ変えられるので、画面全体をもう一度サイコロに委ねる必要がありません。
最後に正直なところを1つ。各ラウンドは1回ずつしか回しておらず、シードを変えれば個々の所見はひっくり返るかもしれません。実案件で判断するなら、自分のプロンプトで同じように変数を固定し、それぞれ数回走らせるのが確実です。手間を省きたいなら、テンプレートライブラリ にある調整済みの設定も出発点として妥当です。